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kirakira
2018
12/10
22:34:56
A・E・ヴァン・ヴォクト『宇宙船ビーグル号』を読了。

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遠宇宙調査船ビーグル号の乗組員が次々と現れるエイリアンたちと死闘を繰り広げる話。
エイリアンとの戦いと船内の派閥争いが軸になっていて、その縦糸となるのが情報総合学というチート学問と能力を身につけた主人公。この主人公がとんだ食わせ物というか、中盤までは見下されて不当な扱いを受けるので共感するものの、後半になるにつれて主人公が人間的にも能力的にもすげえヤバイ人物なのが明確になってきて、最後の話なんか敵の存在がおまけ程度でとにかく主人公ヤバイ感すごかった。アシモフの第二ファウンデーションの組織理念を体現したかのような人物といえば適当だろうか。

■クァール
最初のエイリアン。容姿がまんまFF2のクアールで、元ネタなのだろうか?
容姿も性格も哀愁も一番印象に残る。普通の強さのせいか殺されたのはこいつだけ。
■リイム人
唯一敵対的でないエイリアン。友達求めた精神干渉が地球人にとって大きな害になっただけ。
結構な死者が出たものの殺すわけにはいかないから種族認識を修正される。
■イクストル
かつてはひとつの宇宙の支配種族だったエイリアン。
わりと賢いので殺すことはできなかったが再び宇宙空間で永劫の孤独に。
■アナビス
登場するエイリアンの中では最大規模にヤバい存在だけど、最後の話は主人公のヤバさのほうが目立つ悲しみ。
長い時間をかけて餓死させられる。

情報総合学のチートぶりと主人公の全体合理主義な自己顕示欲の高さと無慈悲さ、船内の派閥争いがちょっと合わなかった。純粋にエイリアンとの攻防メインだとよかったなあ。
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2018
12/08
22:57:13
レイ・ブラッドベリ『火星年代記』を読了。

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詩情豊かな文章と雰囲気で綴られた火星をめぐる挿話の歴史。
詩情のなかに込められた文明批判と戦争の愚かさへの警告がじつに心に響く。切なく悲しい。
気に入ったエピソードは「夜の邂逅」と「火の玉」。

「イラ」「地球の人々」「第三探検隊」
嫉妬に狂った火星人に問答無用でぶち殺された第一探検隊が一番悲惨。第二探検隊もかなりあれだが火星人の名前からしてユーモア喜劇な感じだし火星人も自殺する結果になったのでまあ。第三探検隊は隊長以外は寝てる間に幸せなまま殺されたのかな。『チェコSF短編小説集』収録の「ブラッドベリの影」で言及されてた「『火星年代記』で第二探検隊がどうなったか」の記述、これ正確には第三探検隊の間違いじゃないのか、幻影の罠。
「夜の邂逅」
このくらい地球人と火星人が友好的にやりとりする話をもっと読みたかった。
たぶんこの話に出てくる火星人は過去の者で、「君の名は。」みたいに時間軸がずれてるのだろう。
「火の玉」
キリスト教的に心が洗われる素敵な話。
「第二のアッシャー邸」
ブラッドベリによるポーのオマージュ。この作品世界では2006年に大焚書があって、ポー、ラヴクラフト、ホーソーン、ビアスなどあらゆる怪奇幻想小説は焼かれたらしい。漫画や探偵小説や童話などのフィクション産物もみんな破壊されたようで、ここから地球はかなりディストピアっぽいと判断できる。
「火星の人」
冒頭とラストがちょっと「猿の手」を思わせる。人間の愚かさと悲しさが同時に爆発した悲劇。
「地球を見守る人たち」「沈黙の町」
地球で大戦争が起こったから火星入植者のほぼ全員が一目散に帰還するのはどうにも違和感があった。アメリカ人だからなのか。自分の意思で残ったのは太った女性ひとりだけじゃないか。
「長の年月」
ワイルダー隊長も、神父たちも、みんな、地球の戦争で死んだのかなと思うと悲しい。
「百万年ピクニック」
ラストは最初ちょっと意味を取り違えて、実は自分たちは火星人だったオチかと思ってしまったが、そうじゃなくて戦争で滅ぶ地球を脱出した二組の地球人家族が火星で新たな火星人として生きていく決意をしたわけか。ちょうど子供たちが男女に分かれていなかったら詰んでたな。それにしても本物の火星人たちは本当に絶滅してしまったのだなあ。

火星人の特徴が挿話ごとに別キャラと思うくらい違うのだけ気になったかな。
地球人が火星に入植してから去るまでの間の話が雰囲気的に好きで、思えばイアン・マクドナルド『火星夜想曲』も博士がいなくなるまでの序盤が好きだった。
kirakira
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2018
12/05
20:50:50
クリフォード・D・シマック『中継ステーション』を読了。

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舞台設定と世界観の雰囲気がとてもよかったです。
異星人との交流や貰い物の数々、ウィスコンシンの自然描写なども魅力的。
読む前は世界の動向を尻目に主人公がまったり異星人の相手をする話だと思っていたのですが、まったく逆で、主人公が孤独と地球の未来と何もできない自分にものすごく悩んで苦しんで葛藤しているのが意外だった。
ストーリー本筋は希望に満ちたハッピーエンドなのに、ラストが切なすぎる。実体化してもダメなものはダメというところが非常にシビアだなあ。
ちなみに主人公の名前がイーノックなので容姿イメージはエルシャダイのイーノックで余裕でしたw 名前だけじゃなくて不老だったり農夫要素あったり色々と共通点が多い。

地球人類が異星人文明間の仲間入りをするには戦争や同族同士の争いを克服しなければならないというのは、現実も実際のところそうなのかもしれないと思ったり。本当は宇宙人たちは手の届くところに存在していて、地球人が成熟するのを待っているのかもと。
kirakira
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22:59:01
コードウェイナー・スミス『人類補完機構全短篇3』を読了。

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〈人間の再発見〉の第二世紀、砂の惑星出身のキャッシャー・オニールを主役にした連作短編と、作者亡き後に夫人が書いた補完機構最後の作品が収録された最終巻。

「宝石の惑星」「嵐の惑星」「砂の惑星」
普通の作家なら主人公が二つの惑星で得たものでいかにして宿敵から故郷を解放するかという話になる。しかしこれはコードウェイナー・スミスの作品であった。驚きであるが私にとっては実に良い展開と結末だった。
「嵐の惑星」のヒロインであるト・ルースは印象度が凄かった。外見は10代前半の女の子。実は1000歳近くで、しかも今後9万年生きるかもしれない。生まれたときから館の主人(爺さん)だけを愛するよう条件付けされていて、心の底から爺さんを愛していて彼の所有物であると平然と言ってのける。さらに絶大な魔女だった亡き妻の人格と能力を移植されているため、外見に見合わぬ圧倒的な力と強者の余裕態度まで兼ね備えた存在。現代のチート系ライトノベルから抜け出してきたような設定だ!
「砂の惑星」はト・ルースの超チート能力を付与された主人公が序盤であっさり目的を達成したことに呆気にとられる。なんと本題はその後に展開されるキリスト教的な巡礼の遍歴である。そこにはイ・テレケリの影もある。素晴らしい。

「三人、約束の星へ」
作者はこれ書いてるときダグラス=オウヤン惑星団から変な電波でも受信したのかと困惑するくらいぶっ飛んだ内容。これをキャッシャー・オニールの後日談にするのマジ勘弁。その気になれば複数の恒星を簡単に消滅させられる改造人間とかいくら〈補完機構〉でもそんなもの作れるのアウトでしょ。まあ中身が黒髪の女の子というのはよかったけど、これもラノベ色がすごいわ。
「太陽なき海に沈む」
時系列的には一番新しいのだろうが、人間と下級民の意識関係があまり変化してなかったり、イ・テレケリの存在が補完機構全土に周知となっている設定はちょっと受け付けにくい。「帰らぬク・メルのバラッド」で人間と下級民の関係が対等になるときでさえ補完機構当局はイ・テレケリの存在を知らぬまま(ジェストコースト以外)なんだから、そこは崩さないでほしかった。二次創作とまでは言わないが、本編の数ある未来の中の一つくらいの感覚かなあ。

何はともあれ、これにて人類補完機構サーガをすべて読んだ。どっぷり浸からせてもらいました。
kirakira
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12:55:49
落札した幸子のEXQフィギュアが届いた。

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まあなんというか、ゲーセン用フィギュアの出来って感じですわ。

定価15000円超え幸子&ありすと並べるときつい。

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20:58:47
コードウェイナー・スミス『人類補完機構全短篇2』を読了。

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長編『ノーストリリア』の前後、補完機構サーガ最大の出来事である〈人間の再発見〉期の作品が収録された巻。
150世紀の地球がどれだけ「市民、幸福は義務です。市民、あなたは幸福ですか」な世界になっているかがよくわかりました。ディストピアと背中合わせの行き過ぎたユートピアですな。そして〈人間の再発見〉導入により程よい程度の自由と古代(現代)言語・文化・災厄の復活で人間性の回復をはかる。しかし半奴隷の下級民の扱いと犠牲は変わらないままで、しかしそれもジェストコーストやイ・テレケリなどの活動で数世紀先にようやく下級民も市民権を得ると。

「クラウン・タウンの死婦人」
〈人間の再発見〉ならびに下級民解放の最初のきっかけとなる革命が語られる。エレインや犬娘ド・ジョーンたちが予期された運命へまっすぐに進行していく物語は読んでいて妙な高揚感をおぼえた。クライマックスの愛の連呼と熱狂はすさまじい。こうして初代ジェストコーストが誕生し、数十世紀後に人間と下級民の垣根は大きく狭まることになると思うと感慨深い。
「帰らぬク・メルのバラッド」
時系列的には『ノーストリリア』の前日譚だが、結末部分にその数世紀後の下級民解放が書かれているのがよかった。ク・メルは死んでもそのひ孫たちの多くの容貌はク・メルに似ているあたり遺伝子つえぇ。下級民の救世主として祭り上げられ正義の人生を駆け抜けたジェストコーストが死の間際にイ・テレケリもしくしイ・イカソスと会話して幕を閉じるのもよい。
「シェイヨルという名の星」
めっちゃグロテスクな内容が強烈に印象に残るが最後は救われてホッとした。良くも悪くも刑罰の時代が終わった。てゆーかスズダル中佐あんたまだ生きてたんかい。

『ノーストリリア』と「帰らぬク・メルのバラッド」に名前が出てくるダイモン人は、地球人を祖として宇宙の彼方で人類を超越した種族となった存在らしい。そしてイ・テレケリは補完機構か地球政府がダイモン人を人工的に作り出そうとして失敗して破棄されたものが密かに生き残って成長した生物のようで、デミ・ダイモン人といったところになるのかな?
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19:49:55
コードウェイナー・スミス『人類補完機構全短篇1』を購入。

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人類補完機構サーガの未来史が時系列順に掲載されているのは非常に助かります。
1巻は20世紀から130世紀までのそれぞれの時代のなかのひとこまを書いた作品群。
読んだ感想としてはまさしく作者独特の世界観というほかなく、どういうものか言い表すのは難しい。
個人的にはハード・ロマンス・グロテスクが奇妙に合わさった感じですかね。

印象に残ったものの簡易感想など。

「マーク・エルフ」「昼下がりの女王」
人類補完機構の設立秘話。第二次世界大戦時のドイツ帝国高官の娘である姉妹たちが宇宙で冷凍睡眠状態になって遠い遠い未来の地球で人類補完機構の祖となるとはファンタジック。熊じいさんが愛らしくていい味出してます。
「星の海に魂の帆をかけた女」
ストーリー自体はロマンスに溢れたハッピーエンドのいい話なんだけど、光子帆船の船乗りの仕事がきつすぎてドン引きですわ。1回の仕事で人生の4分の1の寿命を失い、仕事中に死ぬ確率も数分の一と高く、仕事中の状態が壮絶な環境で、誇りすら持たせられないとか……そのかわり1回の仕事で残りの人生を暮らせるだけのお金は手に入るようだけど、うーむ。
「青をこころに、一、二と数えよ」
あ、そっちとくっつくんだと意外な結末。実の親に育てられることが異常とみなされるあたり、かなり現代の価値観と違う時代の模様。
「大佐は無の極から帰った」
二次元ポーズ維持マンとなった大佐を救う東方正教信者の聖少女的な女の子がすごくよかった。それに尽きる。
「ガスタブルの惑星より」
収録作の中では一番のお気に入り。ブラックユーモア全開のグルメSF。いや、いいんですか、これ、こんな話で、こんなオチでw 人類補完機構の悠遠な歴史の一ページにこんな珍エピソード混入してww
「黄金の船が――おお!おお!おお!」
補完機構の無慈悲さと冷徹さが強調されてきつい。狂った少女を治療させず人間兵器として使用して隔離しておくとかひどすぎる。
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プロフィール

皇帝栄ちゃん

Author:皇帝栄ちゃん

クトゥルー神話、ロード・ダンセイニやアルジャナン・ブラックウッドの小説、一昔前の海外怪奇幻想小説、織田作之助、アシジの聖フランシスコなどが好きな這いまわる偽善者。永遠属性持ち。ハッピーエンド至上主義。

東方は早苗さん好きで、霊夢と早苗のカップリングがお気に入り。アイマスは橘ありす好きで、ありすと幸子のカプがお気に入り。


「輿水幸子×橘ありす合同誌 カワイイボクのありすさん」メロンブックス様にて販売中。



「ありすと幸子のドリームランド」メロンブックス様にて販売中。



「カワイイボクとファーストキス」とらのあな様にて販売中。



「おぜうの名推論コミックアンソロジー」とらのあな様にて販売中。



「ムングの獣かく語りき」メロンブックス様にて販売中。



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