kirakira
11:15:31
ロード・ダンセイニの短編に「給仕の物語」というのがあります。

ロンドンに旅行しに来たアメリカの超大富豪の男が、掃除夫の男に失礼な態度をとられた(どちらが悪いかは不明でたぶんどちらも悪いと描写されている)ことに腹を立て、秘書に命じて掃除夫の男を一年以内に死なせるよう仕向けます。
秘書は頭をしぼって男の嗜好を調べ、男がビールとウィスキーが好みだということを知ると、男に近づいてシャンペンの味を覚えさせます。男は目新しい酒におぼれてしまい、病を患うことに。
語り手の給仕はたまたまその計画を知って、男にそれを説明して忠告するものの、男は「俺はこの(大好きな酒を毎日浴びるように飲む)生き方が気に入っている。お前の忠告は受けない」と突っぱねます。
男はビールは理解していたかもしれないがシャンペンは目新しく、さらにリキュールは男を毎晩酩酊させて身体を蝕み、結果、大富豪と秘書の思惑通り、男は一年も経たずに死んでしまいました。

話の筋はこんなところですが、ポイントは男が給仕の忠告を無視した理由でしょう。
よくいますよね、過度な飲酒や喫煙は自分の生きがいだから絶対にやめる気はないと豪語している人。テレビの健康番組なんかでもそんな芸能人見かけます。
私はそういうの見るたびに、それが原因で実際に生死に関わる病を患ったときも同じことが口にできるかなーと冷ややかな気持ちになります。

それはともかく、目新しいものの危険性というと、最近読んだF・J・オブライエンの短編「パールの母」に、妻に異常が起こりだして阿片服用かと思ったらその傾向は見られず、取り返しのつかない惨劇が起こった後に実は大麻だったことが判明したという話がありました。大事なもの全てを失った男は自分も大麻におぼれてしまい、自身は大麻を征服していると思い込んでいるあたりが、酒は飲んでも飲まれるなっぽいなーと。
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プロフィール

皇帝栄ちゃん

Author:皇帝栄ちゃん

クトゥルー神話、ロード・ダンセイニやアルジャナン・ブラックウッドの小説、一昔前の海外怪奇幻想小説、織田作之助、アシジの聖フランシスコなどが好きな這いまわる偽善者。永遠属性持ち。ハッピーエンド至上主義。

東方は早苗さん好きで、霊夢と早苗のカップリングがお気に入り。アイマスは橘ありす好きで、ありすと幸子のカプがお気に入り。


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