kirakira
2009
07/23
17:56:31
春香と雪歩のダンセイニ戯曲集紹介動画製作の参考に、西方猫耳教会さんのペガーナロスト(ダンセイニ研究の同人誌)9~11号掲載のダンセイニ自伝「陽光の煌めきと影」を読み直しました。
これは三つあるダンセイニ自伝の一冊目を3号に分けて連載したものですが、ダンセイニの幼少時から第一次世界大戦までを回顧した自伝で、ダンセイニの人どなりや人生、各小説を執筆したときはどういう状況や心境だったかなどが記されていて、ダンセイニ好きとしては非常にためになります。

さて、読み返していてあらためて感銘を受けた部分がありました。以下引用。

『今や世界中で広い空間が減少し、人と人との距離が狭まり、お互いがより理解しあえる時代がやって来たと希望に満ちた意見を述べる諸氏がいる。しかし残念ながら私はその意見には賛成しかねるのである。人間の心の中には古より広大なる空間に対する憧憬が存在している。人間は自分の周囲に他人が寄って来ると、彼らを理解しようとすることはしない。そこに戦争の起源が存在するのだ。その結果として、再び広大なる空間が復活するという訳である』

この「広大なる空間」というのは、現代文明の象徴ともいえる高層建築物群という障害物などなかった遙かな昔日の自然のことを指していると思われる。
人間は文明を発達させて利便的な世の中を手に入れたが、窮屈な包装箱に閉じ込められた都会世界は、結局は人間自身の手で滅ぶこととなり、自然回帰のときがやってくるのだろう。
人間が人間だけのことしか考えず、自然を顧みないなら、人類に未来はないのだと思う。


そういえば「クトゥルー神話の謎と真実」では、佐野史郎がこんなことを言ってますね。

『今、世界はグローバル化に向かって進んでいるっていうじゃないですか。「世界はひとつ」で、「ひとつ」の考え方や尺度にどんどん統一しようとしている。僕はそういうの、大嫌いなんですよ。
 国際交流を盛んにして、それぞれの文化を大事にして、お互いを理解しあいましょうなんて、聞こえはいいけど、実際にはわかりあえるわけがない。っていうか、わかりたくない(笑)。
「混ぜるな危険」じゃないけど、性質の違う薬品同士を混ぜたら危ないでしょう? なのに、人間だけは化学反応を起こさないと思っている。だけど、実際に異文化が出会ったときには、必ず戦争が起きているんです。その事実を無視して、「人と人は解りあえるものだ」という根拠のない前提に立ちつづける限り、衝突は起こりつづけますよ』

ダンセイニのそれとは意味合いが違いますが、これも非常に共感できました。
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皇帝栄ちゃん

Author:皇帝栄ちゃん

クトゥルー神話、ロード・ダンセイニやアルジャナン・ブラックウッドの小説、一昔前の海外怪奇幻想小説、織田作之助、アシジの聖フランシスコなどが好きな這いまわる偽善者。永遠属性持ち。ハッピーエンド至上主義。

東方は早苗さん好きで、霊夢と早苗のカップリングがお気に入り。アイマスは橘ありす好きで、ありすと幸子のカプがお気に入り。


新刊「カワイイボクとファーストキス」とらのあな様にて委託販売中。



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