kirakira
21:32:51
ミヒャエル・エンデのファンタージエン、トールキンの中つ国、ルイスのナルニア、はては菊地秀行の魔界都市〈新宿〉など、優れた作家は魅力的な創作世界を創り上げるものである。
私ならラヴクラフトの幻夢境やダンセイニのペガーナを挙げるが、さて、今回語るのはC・A・スミスの創作世界のこと。

■ゾシーク
スミスの創作世界で私が一番好きなのがこれである。
太陽が衰退した遙か未来の地球における人類最後の大陸。科学は時の彼方へ忘れ去られ、往古の魔術が復活した退廃的な終末世界を舞台にしたダーク・ファンタジィ。どの話も面白く、とにかく世界観が好み。

■ハイパーボリア
クトゥルフ神話体系と関連性の深い古代大陸。ツァトゥグァやエイボンなどの有名どころもこの大陸を舞台にした作品群ありきである。世界観的にはゾシークとさしてかわりないのだが、私はハイパーボリアに対してはあまり魅力を感じない。神性や人物は好きだけど舞台設定や話が好みに合わないものが多いからかも。

■アヴェロワーニュ
中世フランスに存在すると思しき架空の都市。このシリーズの世界観や話は結構好きなのだが、残念なことに現在日本で刊行されているスミスの短編集では全作品が網羅できない。創元さんには是非ともアヴェロワーニュ全訳も出してほしいところ。

■その他
惑星ジッカーフやアトランティスの架空都市ポセイドニスなど。

私がスミスの作品を好きなのは、基本的にはゾシークに代表される耽美的な作風のものが多いからといえる。また、独学で培った、圧倒的な語彙の豊富さをふんだんに用いた文体・文章も素晴らしく、「魔道士エイボン」や「七つの呪い」といった妙味に満ちたユーモアを書けるという点など、挙げればきりがない。
ちなみにスミスの作品で最も恐怖を感じた作品はというと、魔術師の帝国(創士社)に収録されている「二重の影」である。私は怪奇小説を読んでゾッとすることはあまりないのだが、この作品はなんともいえない恐ろしさをおぼえた。

さて、呪われし地(国書刊行会)に収録されている「ヴルトゥーム」に登場するヴルトゥームはクトゥルー神話体型に取り入れられているが、正直この作品はどう読んでも未来の火星を舞台にした普通のSFもので、なぜこいつが神性として神話に採択されたのかいまいちわからなかったり。
モルティギアンは食屍鬼の神という設定から取り入れられるのはわかるんですが、ヴルトゥームが採択されるならササイドンも採択してよと思ったり。まあファルガマはアザトースと同等と思えるほどの存在っぽいのであれですけど。

凡氏のサイト「大凡々屋」
http://www7a.biglobe.ne.jp/~byakhee/
こちらでダーレスやスミスの中編小説が翻訳されていて、面白そうなのでそのうち読もうと思っているのですが、まだ実行できてなかったり。
詩は全部読みました。小論は最強の魔道書や星々を焼き尽くす焔が興味深い内容でした。
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皇帝栄ちゃん

Author:皇帝栄ちゃん

クトゥルー神話、ロード・ダンセイニやアルジャナン・ブラックウッドの小説、一昔前の海外怪奇幻想小説、織田作之助、アシジの聖フランシスコなどが好きな這いまわる偽善者。永遠属性持ち。ハッピーエンド至上主義。

東方は早苗さん好きで、霊夢と早苗のカップリングがお気に入り。アイマスは橘ありす好きで、ありすと幸子のカプがお気に入り。


新刊「カワイイボクとファーストキス」とらのあな様にて委託販売中。



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