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kirakira
15:14:32
 幻想郷ブルース 東方魔震団

 博麗霊夢は忘我した。早朝の境内に、からんと、竹箒の倒れる音が鳴った。
 かすかな記憶が漣を伴って帰ってくる。参拝客の来ない神社の掃除の最中、漏れた溜息が緊張に変わった。結界が僅かに揺らぎ、鳥居を抜けてくる何者かの気配が伝わってきた。それはまぎれもなく境界の外からのものであった。
 最初に捉えたのは、石畳に伸びる影だった。その時点で目を疑った。なんという美しさ。この世にこれほど美しい影が存在するだろうか。
 次いで本体が現れ出た。身長百八十センチをクリアする黒衣の肢体に、霊夢の鼓動は命蓮寺の鐘が狂乱したかのように轟いた。もしも言葉にするなら美影身と例えるほかはない。
 そして――そう、首より上に目を移した瞬間、博麗の巫女の心は、忘我の極みとなって溶けたのである。
 それは彼女がこれまで経験したこともなく、また、この先も皆無たるは相違ない、「美」そのものであった。いかな人間も妖怪も亡霊も、鬼や神や天人や月の民であろうと、眼前に立つ黒衣の青年の美貌に心を奪われない者など存在しないだろう。巫女の記憶に残るスペルカード戦のどんな綺麗な弾幕も、彼の前ではすべてむなしく色褪せてしまう。
「どーも」
 と、「美」が片手を上げた。春色小径と呼ぶにふさわしき春風駘蕩な声が、ようやく霊夢の意識を夢から現へと引き戻した。幻想郷ですら味わえぬほどの甘美が薄れていくことに、彼女らしからぬ名残惜しさが胸中に溢れる。
 まだ恍惚が冷めやらぬ脳内を必死に揺さぶり、意識を集中した双眸を眼前に向け――かけ、すんでのところで焦点をずらした。もう一度まともに青年の顔を見てしまったら二度と戻れなくなる。そう彼女の勘が告げたからだ。
「博麗霊夢さんですね?」
「あ、あんた……いったい誰よ」
 唇の震えと、いつもの調子とは程遠い声音。こんなことは生まれて初めてだ。
 一拍置いて返事がきた。
「僕は秋せつら、人捜し屋です。――〈新宿〉から来ました」
 


―――――
 


なーんて話を誰か書かないかしらと思ったり。

さとりもせつらの心は読めないでしょう。サードアイがせつらを意識した瞬間、陶酔のあまり心を読む能力が機能しなくなるのです。ドクター・メフィスト相手だと、心を読もうとしたら原因不明の恐怖を感じて実行不可能とかそんなとこじゃないかなー。

せつらVS咲夜さん。時を止めてせつらに近づく咲夜さん、手を伸ばした途端、せつらが張り巡らせておいた「糸とりで」で指が切り落とされる。しかし、近くで見たせつらのあまりの美しさに、切断された指の痛みなど微塵も感じないほど心を奪われる、そんなシーンが思い浮かびますなあ。

魔理沙やアリス、パチュリーなんかはトンブと絡ませられますね。とくにパチュリーは「あのヌーレンブルク家の?」と驚嘆しそう。

メフィスト先生はやはり永琳と。医師繋がりだけでなく月繋がりも。なんたってお月様がメフィストのためにビーム撃ってますからねw 月の都からすればメフィストは紫以上の要注意有名人じゃなかろうか。あと、穢のない月の都と穢の結晶ともいえる魔界都市〈新宿〉は実に対照的ですし。

そんなわけで、東方×魔界都市ブルースなどという妄想を垂れ流してみました。
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皇帝栄ちゃん

Author:皇帝栄ちゃん

クトゥルー神話、ロード・ダンセイニやアルジャナン・ブラックウッドの小説、一昔前の海外怪奇幻想小説、織田作之助、アシジの聖フランシスコなどが好きな這いまわる偽善者。永遠属性持ち。ハッピーエンド至上主義。

東方は早苗さん好きで、霊夢と早苗のカップリングがお気に入り。アイマスは橘ありす好きで、ありすと幸子のカプがお気に入り。


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