kirakira
10:49:28
この本を購入。

ハシェクの生涯―『善良な兵士シュベイク』の父 (1970年)ハシェクの生涯―『善良な兵士シュベイク』の父 (1970年)
(1970)
グスタフ・ヤノーホ

商品詳細を見る


新規詰め込み画像

「兵士シュヴェイクの冒険」の作者ヤロスラフ・ハシェクの伝記です。
ハシェクの簡易的な解説は岩波文庫のシュヴェイクなどの巻末解説でそれなりに書かれていましたが、さすがにこちらは一冊まるまる伝記だけあって、細かい部分までがっつり書かれています。
予想以上に貧困と器用であると同時に不器用な人間性と孤独に苛まれた人生だったのだなと、つらく悲しくなりました。

とりあえず、この本を読んで一番「おお!」と思ったのはルカーシ中尉のこと。シュヴェイクの登場人物のなかでルカーシ中尉だけはわりとまともなキャラクターなのですが、その理由は、オーストリア陸軍時代のハシェクの上官だったルカーシ中尉が、ハシェクにとって人間的に共感できる人物であったからなのだとか。いかなる実在人物も風刺戯画化して滑稽に描くハシェクが、ルカーシ中尉を書くときだけは筆が鈍る理由がわかっただけでも「ハシェクの生涯」を買った価値がありました。

あと、シュヴィクの名前にモデルがいたことにもびっくり。社会民主党の滑稽新聞に、二年にわたり地主党のシュヴェイクという地方議員を主人公にした記事が掲載され、ハシェクはその名前を借りてヨゼフ・シュヴェイクを生み出した。そしてシュヴェイクは一躍有名になったが、名前の元であるシュヴェイク議員は世間から忘れられたそうな。

それにしてもハシェクはたとえ病気になってなくても、シュヴェイクの続きを書いて完結させるのは無理だったかもしれない。自分の創造した主人公かつ分身でもあるシュヴェイクにも妬みを持って、友人への手紙で「出版社からは続きを催促されているがぼくはもう書きたくない」と述べるほどなので。
ハシェクの生涯は貧困と自己矛盾と葛藤と孤独に終わった人生だった。しかしハシェクは死んだがシュヴェイクは生き残った。作家が死んでもその代表作の主人公は今なお国民に愛され、世界各国に翻訳されて評価されている。普遍的な作品を遺したのだ。
kirakira
kirakira
コメント
コメントの投稿










トラックバック
トラックバックURL
→http://kadasu.blog10.fc2.com/tb.php/2678-b39f24ab
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
kirakira
kirakira
プロフィール

皇帝栄ちゃん

Author:皇帝栄ちゃん

クトゥルー神話、ロード・ダンセイニやアルジャナン・ブラックウッドの小説、一昔前の海外怪奇幻想小説、織田作之助、アシジの聖フランシスコなどが好きな這いまわる偽善者。永遠属性持ち。ハッピーエンド至上主義。

東方は早苗さん好きで、霊夢と早苗のカップリングがお気に入り。アイマスは橘ありす好きで、ありすと幸子のカプがお気に入り。


新刊「カワイイボクとファーストキス」とらのあな様にて委託販売中。



メールフォーム

kirakira
kirakira
検索フォーム
kirakira
kirakira
月別アーカイブ
kirakira
kirakira
QRコード
QRコード
kirakira