
14:08:22
この本を購入。
本日読了。これで全5冊を読み終えました。
私はミステリが苦手で殆ど手をつけない人間ですが、そんな私がシリーズものの推理小説を全巻読破したのはこのブラウン神父が初めてです。
1800年末から1900年初頭のイギリス・ヨーロッパが舞台で、ローマ・カトリックの神父が主人公で、そして訳者解説で言われるところの「物語全体に漂う絵画的な怪奇ファンタジーの雰囲気・中世ゴシック様式による現代ゴシック・ロマンの一種」である作風が好みに合ったからこそですな。もちろん作者独特の逆説、諧謔、風刺とユーモア、宗教観による魅力も。
ただ、巻を追うごとにゴシック風の雰囲気が色褪せてしまっている感があるのが残念でした。初期の二冊『童心』『知恵』と、12年後に執筆再開された残り三冊『不信』『秘密』『醜聞』とでは、どうしても雰囲気に差があるとしか思えません。この辺は時代背景やマンネリズムが影響しているのかもしれませんが。
フランボウが初期二冊だけセミ・レギュラーだったのが個人的には物足りないかも。三冊目は出番なく、四冊目ではプロローグとエピローグのみの登場。最後の五冊目では一篇のみ出番がありましたが、それを読むと、やっぱりいいコンビだと思うし、多少ストーリーの空気が似たようなものになっても全体的にセミ・レギュラーとして出してほしかったところ。
あと、四冊目のプロローグとエピローグは最終巻にこそ相応しかったと思います。あのエピローグこそブラウン神父を締め括る末尾として申し分ない情景で。
なにはともあれ、結局のところは満足できる作品でした。
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本日読了。これで全5冊を読み終えました。
私はミステリが苦手で殆ど手をつけない人間ですが、そんな私がシリーズものの推理小説を全巻読破したのはこのブラウン神父が初めてです。
1800年末から1900年初頭のイギリス・ヨーロッパが舞台で、ローマ・カトリックの神父が主人公で、そして訳者解説で言われるところの「物語全体に漂う絵画的な怪奇ファンタジーの雰囲気・中世ゴシック様式による現代ゴシック・ロマンの一種」である作風が好みに合ったからこそですな。もちろん作者独特の逆説、諧謔、風刺とユーモア、宗教観による魅力も。
ただ、巻を追うごとにゴシック風の雰囲気が色褪せてしまっている感があるのが残念でした。初期の二冊『童心』『知恵』と、12年後に執筆再開された残り三冊『不信』『秘密』『醜聞』とでは、どうしても雰囲気に差があるとしか思えません。この辺は時代背景やマンネリズムが影響しているのかもしれませんが。
フランボウが初期二冊だけセミ・レギュラーだったのが個人的には物足りないかも。三冊目は出番なく、四冊目ではプロローグとエピローグのみの登場。最後の五冊目では一篇のみ出番がありましたが、それを読むと、やっぱりいいコンビだと思うし、多少ストーリーの空気が似たようなものになっても全体的にセミ・レギュラーとして出してほしかったところ。
あと、四冊目のプロローグとエピローグは最終巻にこそ相応しかったと思います。あのエピローグこそブラウン神父を締め括る末尾として申し分ない情景で。
なにはともあれ、結局のところは満足できる作品でした。




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