kirakira
17:38:43
2013年版ドラマ「夫婦善哉」を借りて見ました。

夫婦善哉 [DVD]夫婦善哉 [DVD]
(2014/02/19)
森山未來、尾野真千子 他

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織田作之助の生誕100周年企画としてNHKで全4話にて放送されたドラマ。
正直、見る前は「現代に制作された夫婦善哉なぁ」とあまり期待してなかったのですが、蓋を開けてみたら、原作をうまく再現しながら原作で描写の無かったところを上手に補完した出来で、素晴らしい作品でした。

1~3話が「夫婦善哉」、4話目が「夫婦善哉 続編」の内容になっています。
まず、冒頭が織田作之助のエッセイ「大阪の顔」の一部が再現されていてのっけから感動した。あのエッセイは後半の法善寺のくだりが好きなので、若い女性たちがおみくじで「あッ! 凶だ」が映像で見れただけでたまらん。法善寺横町と水掛け不動、夫婦善哉のお多福人形がいきなり映って嬉しい。
そして、ナレーションを夫婦善哉のお多福人形が語っているというのが実に良い演出。このお多福人形は全4話のなかで頻繁にさりげなく映って「夫婦善哉」ならびに「大阪のユーモアの象徴」としての存在感を発揮しております。

自由軒のライスカレー、いづも屋の鰻丼、生國魂さんのドテ焼、たこ梅のたことか、柳吉のB級グルメ食道楽をちゃんと再現してくれてるの、ほんと嬉しい。夫婦善哉は原作だとラストに出てくるだけですが、このドラマでは最初と最後を含めて数回ほど出てきます。原作のやりとりを最初と最後で分けて、そのうえで蝶子に「それでも夫婦でとつなのがいい」と言わせるのがにくい。
前に見た白黒映画の「夫婦善哉」とはかなり雰囲気違います。カラー映像というだけでもそうだけど、ほんの二年前に制作されただけあって、いい感じに今風の演出だからとっつきやすい作りになってて面白い。柳吉の配役は森山未來、蝶子は尾野真千子。最近の俳優さんはよく知りませんが、柳吉のダメなボンボンぶりがよく演じられていると思う。

映画もドラマも、原作で柳吉と蝶子が商売を5つ前後も転々とするのはカットされてます。織田作之助作品においては登場人物が仕事を転々とするのは一つの味でもあるのだが、映像にするとくどいしテンポ悪くなるのでこれは仕方ないですね。ドラマのほうでやた商売は関東煮屋とサロン蝶柳、あと別府温泉での化粧品屋。まあサロン蝶柳だけは絶対に外せませんわな。
原作は基本的に蝶子視点で書かれているので柳吉の心情がわかりにくいのだけど、文中で柳吉が蝶子に養われていることをどう思っているかについて数少ない心情描写があり、ドラマのほうはそこを言葉にして蝶子にぶつけさせて視聴者にわかりやすくすると同時に、柳吉と蝶子の関係性を掘り下げています。

維康商店の婿養子は映画に続いてドラマでも嫌な人間に描かれてるなあと思ったら、柳吉の父親が危篤の場面ですごくいい役どころ持っていった。原作にはない柳吉の親と柳吉の関係性が破綻した原因が提示されています。これは非常に良い補完だとさすがに感心した。原作のいい部分を忠実に再現するだけでなく、原作で書かれなかった気になる点をうまく補完するのは原作への愛と脚本のよさが絡まって素晴らしい。ただひとつ、小河童という蝶子の幼馴染みのオリジナル登場人物だけはまるで出した意味がなく不用でしたが。
あとは、原作ではまったく書かれていなかった、柳吉の娘が結婚するに至った展開を補完しているのが良いです。

実に満足。興味のある方は視聴されて損はないと思います。
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プロフィール

皇帝栄ちゃん

Author:皇帝栄ちゃん

クトゥルー神話、ロード・ダンセイニやアルジャナン・ブラックウッドの小説、一昔前の海外怪奇幻想小説、織田作之助、アシジの聖フランシスコなどが好きな這いまわる偽善者。永遠属性持ち。ハッピーエンド至上主義。

東方は早苗さん好きで、霊夢と早苗のカップリングがお気に入り。アイマスは橘ありす好きで、ありすと幸子のカプがお気に入り。


新刊「カワイイボクとファーストキス」とらのあな様にて委託販売中。



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