kirakira
2015
03/17
20:21:15
この本を購入。

青春の賭け 小説織田作之助 (講談社文芸文庫)青春の賭け 小説織田作之助 (講談社文芸文庫)
(2010/05/10)
青山 光二

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2008年に95歳で亡くなった現役最高齢作家が、友人であり続けた織田作之助を回顧して思い出を綴ったオダサク鎮魂の書。青春時代を織田作之助と共に過ごし、その死の二日前まで交友を重ねたのだから一番の友人作家だったのだなあと思います。
織田作之助の遺骨拾いには親族と著者含め、ほか数名だそうですが、太宰治もいたというのが印象的。その一年後に自殺するんですよねえ……。

この本を読むと、織田作之助のデカダンぶりと、いかに破滅的に生きて書き抜いたかがひしひし伝わってきます。
「死ぬまでは休めない! 死ぬまでは、ね。死ぬのが怖いやつは文学なんかやらん事だよ」
「文学は浪費だよ。金も人生も綺麗さっぱり、浪費し尽すところに文学があるんだよ」
こう口にする織田のことを、「あいつは行く途はひとすじだ。嘘もゴマカシもない。あいつはホンモノなんだ。だからこそあいつは死ぬかも知れない。がそれがいったい何だというのだ! あいつは真剣なんだ。まっすぐ前向きなんだ。遮二無二突き進んでるんだ」と葛藤する著者の心情。

死の六年前に同人雑記に書いた織田作之助の文章の末尾がすごく心に残る。瀬名秀明「虹の天象儀」の冒頭で引用されていた文章。

 忘れていた 忘れていた、
 やがて死ぬ身であることを、
 飯をくらいお茶をのみ馬鹿話しして、
 けちくさい恋も照れてやり、
 小説本をよみながら、
 死ぬことを忘れていた、
 やがて死ぬことを、

今の自分にはすごく身につまされて怖い。

そして、織田作之助を失って深い孤独感に苛まれる著者がふっと思い出したのが、織田が読んでいたらしき書物(横光利一全集の一冊)から偶然目に入った一文だという。

――寂しければただ端坐して、美しき友情を想うがよい。

これで締めるのがぐっときました。
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皇帝栄ちゃん

Author:皇帝栄ちゃん

クトゥルー神話、ロード・ダンセイニやアルジャナン・ブラックウッドの小説、一昔前の海外怪奇幻想小説、織田作之助、アシジの聖フランシスコなどが好きな這いまわる偽善者。永遠属性持ち。ハッピーエンド至上主義。

東方は早苗さん好きで、霊夢と早苗のカップリングがお気に入り。アイマスは橘ありす好きで、ありすと幸子のカプがお気に入り。


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