kirakira
23:16:58
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僕は天使の羽根を踏まない (徳間デュアル文庫)僕は天使の羽根を踏まない (徳間デュアル文庫)
(2005/10)
大塚 英志

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かつて魍魎戦記マダラという作品がありました。
私もマルカツPCエンジンで連載していた当時リアルタイムでハマっておりました。
たちまち人気となりゲーム化やOVA化もされ、それらも購入して楽しみました。
しかし、公式が「100のサイドストーリーと8つの本編」というマダラプロジェクトを打ち出してから、さすがについていけなくなって離れました。
後に公式海賊本を衝動買いして読んでみたら、うわあ、なんか知らんけどすごい展開に広がってるなと思ったものです。

要するにマダラシリーズは、一作目でいなくなってしまったマダラを求め、麒麟や聖神邪たちが転生を繰り返して戦い続ける構成になります。

で、この小説はそのマダラの完結編として作者が無理矢理に完結させたものです。
というのも、マダラ・サーガ108の物語の最後にあたる「転生編」と、さらにその先に位置する「天使編」というのがあって、どちらも未完で放置されており、そして作者がマダラシリーズを無理に終わらせるため書かれたのが「僕は天使の羽根を踏まない」ということになります。

読了した感想としては、まあ、全ての宿業を断ち切った聖神邪(ユダヤ)が麒麟と現代で新しい平凡な日常を歩み始めるという結末は嫌いじゃないので、これはこれでいいと思う。
しかしこれが魍魎戦記マダラの完結編と納得して受け入れられない読者が多いのも理解できる。作者自身がもうマダラから解放されたいしマダラファンの読者にもこれが終わりなんだ受け止めてこの作品の夢から醒めるんだって突きつけたような感じの話だった。
麒麟と犬彦のどちらが空想に逃避していたか、夢か現実かはぼかしてあるので、マダラを知らない人が読めば「空想に耽って現実逃避していた少年が現実を受け止めて帰ってきたのを迎える少女の話」と受け取れるでしょう。

まあ、でも、クライマックスのこのやりとりは胸にくるものがありました。

マダラ「ぼくたちは昔になんか戻れるはずはないじゃないか。そんなことは本当はわかっていたはずなのに、君はぼくを目覚めさせ、けれども、これは自分の捜していたマダラじゃないといってその剣(クサナギ)でぼくを殺してきた」
犬彦(聖神邪=ユダヤ)「それは……あいつらが俺が会いたかった(一作目の)マダラじゃないからだ」
マダラ「会えるはずはない。身体が違えばそれは別の存在でしかない。それなのに君たちは始まりの時に帰ろうとした」
犬彦(ああ、最初に間違ったのは俺か。戻れない昔に戻ろうとしてしまった俺が、この宿業を生んだのだ)

作中の登場人物たちだけでなく、マダラシリーズのファンである読者たち、そしてたぶん作者も追い求めたマダラはもういない。それを作者ははっきり提示したと思います。

……でもいくら犬彦(聖神邪=ユダヤ)への思い入れが強いからって贔屓しすぎだし、逆にカオスの扱いはひどいねえ。
あと、普通の人間なのに転生につき合わされ続けたシャモンはこれで少しは報われたのではないでしょうかw
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皇帝栄ちゃん

Author:皇帝栄ちゃん

クトゥルー神話、ロード・ダンセイニやアルジャナン・ブラックウッドの小説、一昔前の海外怪奇幻想小説、織田作之助、アシジの聖フランシスコなどが好きな這いまわる偽善者。永遠属性持ち。ハッピーエンド至上主義。

東方は早苗さん好きで、霊夢と早苗のカップリングがお気に入り。アイマスは橘ありす好きで、ありすと幸子のカプがお気に入り。


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