kirakira
17:44:42
川島雄三監督の映画「還って来た男」を視聴した。

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織田作之助の長編「清楚」と短編「木の都」をミックスした内容で、脚本もオダサク本人。生前に上映され脚本も採用された唯一の映画。1時間と短いためか、会話多めでテンポが速い。
主人公の叔父さんの出番がカットされているかわりに、叔父さんの長話の癖が主人公に付加されています。「木の都」の矢野名曲堂の主人と娘が「清楚」の数名の人物に統合されていて、主人の口癖が他ぁやんの「人間は体を責めて働かな嘘や」になっているあたりはオダサク脚本だなあとしみじみ思いました。主人公が電車で出会った女性に関して、小説では女性に見合い相手がいるのを知った主人公が落胆しますが、映画では女性のほうが主人公が見合いすることを知って落胆しています。
とりあえず口縄坂が出てくるのと、主人公の容姿と服装がイメージぴったりなのがよかった。

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なおこの映画を見る前に未読の「清楚」を読んでおこうと、「定本織田作之助全集4」を図書館で借りて読んでみましたが、まずまず面白かったです。
作者自身が「なによりも明るくたのしい小説を書きたいと念願してこの物語を書いた。ここに出てくる人物には、不幸な人間、嫌な人間、暗い人間は一人もいない」と述べているだけあって、登場人物がみんないい人で優しい世界という、オダサク版CCさくらのような話で新鮮でした。
当時大戦争の真っ最中で日本軍が敗戦に向かって傾斜濃厚な時局に、戦意高揚の作品しか許されない当局下において、戦時中を舞台としつつこんな明るい話を提供するところにオダサクのサービス精神があるのだと思う。
個人的には途中で作者が出てきて挿絵描きとの疎通ミスで途中の主人公の服装の挿絵がその場に合わないから何とか脱がせることにしたと読者に語る部分が気に入ってます。

織田作之助(右)と川島雄三(左)。

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二人は意気投合して盟友といえる仲になり、よく書簡を交し合ったそうな。
川島雄三はオダサク没後に長編「わが町」も映画化していますが、その際はオダサクの脚本を使わず、脚本家の八住利雄に任せていて、その理由はちょっと気になるところ。なお八住利雄は前年に映画化された「夫婦善哉」の脚本も担当していて、原作になかった「頼りにしてまっせ、おばはん」という名台詞を生み出しているので、そのへんを見込んでのものなのかも。
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Author:皇帝栄ちゃん

クトゥルー神話、ロード・ダンセイニやアルジャナン・ブラックウッドの小説、一昔前の海外怪奇幻想小説、織田作之助、アシジの聖フランシスコなどが好きな這いまわる偽善者。永遠属性持ち。ハッピーエンド至上主義。

東方は早苗さん好きで、霊夢と早苗のカップリングがお気に入り。アイマスは橘ありす好きで、ありすと幸子のカプがお気に入り。


新刊「永遠のレイサナ」とらのあな様にて委託販売中。


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