kirakira
00:08:04
アイザック・アシモフ『サリーはわが恋人』『ロボット・コンプリート』を図書館で借りてきました。

サイズ変更ウィザード-3
サイズ変更ウィザード-4

どれもまずまず面白かった。以下いくつか印象に残ったものの感想。


「正義の名のもとに」
よくある「世界各国がひとつになるには共通の敵が必要。世界がひとつにならないと脅威に対抗できない(例えばワイルドアームズ2など)」を逆手に取ったロジックにもとづくどんでん返しの結末が意外。世界は分裂して互いに争い合っているから強いのであり、そして、理想主義者が必要とされるのは、本当に世界統一が実現されたあとなのであると。

「サリーはわが恋人」
普通の作品なら車たちが悪人をやっつけてめでたしめでたしとなるところだが、それをこういう不穏な結末にするところが実にうまいと思った。

「スト破り」
結末が非常に不愉快。私は何かのストライキで自分の生活に影響が及ぼされそうになった経験はないから、ストライキに関してはどうしても不満を訴える少数者たちのほうに同情してしまう。その観点からすると「スト破り」はストライキを起こされた側の態度が憎たらしくしか思えんので。最大多数の最大幸福ってやつは物語の形で見ると特に腹立たしく感じる。現実では私もそれに依っているわけなのだが。うむむむむ。
この短編はアシモフが現実にストライキで迷惑をこうむり、憤りを感じて怒りを抑えながら思いついて書いたものだが、さすがに作中の双方の立場と意見は特殊な社会をもとに公平に表現されている。とはいえ、ストライキを起こしたものが負けを認めてこれまでどおりの苦しみを味わっていかねばならない結末はやはり苛立つ。

「四代先までも」
敬虔なカトリック信者だった亡き編集長への敬意の印にもなったというこの短編は、SFではなく至極まっとうなファンタジー、雰囲気の良い幻想小説である。アシモフは「私はカトリック信者ではないからユダヤ的なものを書いた、私がユダヤ的なものを書くのはこれのみだろう」と述べている。

「この愛と呼ばれるものはなにか」
パルプ雑誌の「異星人に襲われる美女」というパターンに対する皮肉として書かれたものらしいが、はっきりいってアシモフのギャグ的な作品の中で一番げらげら笑った。


『コンプリート・ロボット』はくっそ分厚いけど、さいわい未読作品はみじかい短編が数本だったのでさくっと読み終えた。特筆すべきものはなかった。
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皇帝栄ちゃん

Author:皇帝栄ちゃん

クトゥルー神話、ロード・ダンセイニやアルジャナン・ブラックウッドの小説、一昔前の海外怪奇幻想小説、織田作之助、アシジの聖フランシスコなどが好きな這いまわる偽善者。
永遠属性持ち。ハッピーエンド至上主義。

東方は霊夢と早苗のカップリングがお気に入り。レイサナの道を歩む。キャラ単体では早苗さんが好き。



新刊「永遠のレイサナ」とらのあな様にて委託販売中。


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